将来の正しい歯並びや噛み合わせのために、顎の骨格のバランスを整える治療です。成長期にある子どもだからこそ効果を得られます。可撤式(取り外しができるタイプ)もしくは固定式の矯正装置を用いて顎の成長をサポートし、永久歯が正常に生えてくるためのスペースを作ることで、出っ歯や受け口の予防につながります。
小児矯正
子どもの歯列矯正(小児矯正)について
小児矯正の目的とは?
小児矯正は、永久歯が生え揃う前や、生え揃ってすぐのタイミングに行う子どものための矯正治療です。小児矯正の目的は、大人の矯正のように歯並びをキレイに整えることではありません。
最も重視するのは、顎の大きさや位置の成長バランスを整えること。「将来の正しい歯並びや噛み合わせの基礎づくり」をすることが、小児矯正治療の大きな目的となります。
将来的なメリットも多くある小児矯正
成長過程にある子どものうちから矯正治療を始めると、骨格的な不正の改善を
図ることができます。
顎の成長を正常な方向へと改善し、永久歯を正しい位置に誘導することができれば、大人になってからの矯正期間の短縮や、抜歯のリスクの低減、仕上がりがよりキレイになるといった将来的なメリットも多くあるのです。小児矯正は、お子さんの将来の健康的なお口の環境づくりのために、大きな意味のある治療と言えるでしょう。
小児矯正治療の時期と
特徴について
1期治療(骨格矯正)
対象:4~12歳ごろ
2期治療(歯列矯正)
対象:12歳ごろ~
1期治療によって顎の骨のバランスや大きさを整えることで、永久歯が正常に生え揃う土台を作れるため、2期治療が必要ないケースもあります。
1期治療での効果があまり得られなかった場合でも、2期治療においては部分的な矯正治療で済むケースもあります。
また、不正な生え方をしそうな永久歯でも、顎の成長が止まった段階で治療を始めた方が効果的な場合もありますので、個々の症状に合わせた治療プランで進めてまいります。
小児矯正で用いる装置・治療法
ワイヤー矯正(マルチブラケット)
一般的に「歯列矯正」と聞いて多くの方が最初にイメージされる、銀色のメタルワイヤーを用いる矯正装置です。歯の表側に金属製のブラケットを接着する一般矯正(唇側矯正、頬側矯正)に使用されます。
リンガルアーチ
歯の裏側に入れる装置で、傾斜している歯を起こしたり、バネなどをつけて歯を動かすこともできます。歯の移動を防ぐ保定装置として使うこともあります。
FKO
顎が小さい症状(上顎前突)に対して用いる可撤式(取り外し式)の床矯正装置です。また、反対咬合の治療にも使用することが可能です。筋肉の機能力を矯正力として利用することで顎の成長を促します。
急速拡大装置
上顎に固定し、左右に拡大する装置です。上顎には骨の接合部があるので、装置を用いてその接合部を拡げていきます。骨は隙間の空いたスペースを補おうとし、また骨はくっ付き合おうと骨を形成します(骨添加)。上顎を急速に拡大することができます。
クワドヘリックス
上顎の歯並びの拡大に用いるワイヤーの固定式拡大装置です。歯並びの幅を広げてスペースを獲得することで、抜歯をしない矯正治療を行う場合等に使用します。
ムーシールド
乳歯が生え揃った時期から受け口を改善する装置です。就寝時に装着することで、舌や口腔周りの筋肉を正しく整えて反対咬合を改善します。
筋機能訓練
不正な舌位置や口呼吸、異常な飲込みや舌の突出しのような筋機能癖をそのままにしておくと、正しい顎や顔の発育、正常な歯列の発達の妨げとなってしまいます。そのため、口腔筋の訓練を行うことで歯と顎を正しい位置へと改善します。